ジブリの「思い出のマーニー」
映画「思い出のマーニー」
8月22日に、児童文学研究会のメンバーでジブリの「思い出のマーニー」を見て、その後夕食を食べながら、原作との違いについて話し合いました。
映画は隣の席の若い人たち(知人ではないのでよくわからないけど20代に見えました)がしきりに涙をぬぐっていたので、感激する人もいるんだな、と思いましたが、アンナが走っている場面など画像が粗っぽいのと、原作の繊細な部分が活かされていないのが気になって、私はとても泣けませんでした。
夕食を食べながらの話し合いでは、おばあさんの孫娘への愛情がうまく描かれていてよかったという意見もありましたが、原作と切り離して考えればそれなりにいいけれど、手放しでは賞賛できない、という意見が大半でした。
舞台を北海道にした点についても、しょっちゅう外国人を集めてパーティを開いているマーニーの両親はどういう人たちなのだろう、とか、舞台を移したので戦争などのファクターが消えて社会的な視野が失われている、などの意見が出ました。
原作の物語はかなり長いので、アンナの立ち位置がだんだんにわかっていくおもしろさがあるのですが、映画では「私は私が嫌い」という台詞が最初から出てきたり、学校のボス的な女の子に「ふとっちょブタ」とかなり唐突に言ってしまうなど、びっくりのところも。原作では、そのあたりはとてもていねいに描かれているので納得できるのですが、映画では「どうして」の途中経過部分が省かれているので納得しづらいと思います。
私はジブリ映画はかなり好きなのですが、オリジナル作品には不思議なところ、よくわからないところがあって、それも大きな魅力だと思っていました。でも、
原作があるものを映画化すると、すべて制作側の解釈による説明がなされ、どうしても奥行きがなくなってしまいますね。2時間以内にまとめるのが精一杯で、
原作に匹敵するようなものにはなかなかならない。
翻訳者による訳の違いも話題になりました。岩波の松野正子さんはとてもていねいな訳で、スローテンポですが情景描写がとてもきれいです。角川文庫のは大勢で短い時間に訳したそうですが、越前敏弥さんとないとうふみこさんのまとめ方がよかったのか、齟齬なくうまく流れ、てきぱきした感じになっているとのこと。新潮文庫の高見浩さんの訳は私もちょっとのぞいてみたのですが、テンポとスピード感のある訳になっていました。比較してみるのも、おもしろいかもしれませんね。
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