『白いイルカの浜辺』
『白いイルカの浜辺』
が出ました。
ジル・ルイス作
さくまゆみこ訳
評論社
2015.07
原題:WHITE DOLPHIN by Gill Lewis, 2012
主人公の少女カラは、難読症で学校でいじめにあっている。自然保護活動をしている母親は、野生のイルカを調査中に行方不明になってしまったが、カラはいつか帰ってきてくれるものと信じている。やはり難読症の父親は細々とエビ漁を続けながら途方に暮れている。
ある日、カラの学校に転校生フィリクスがやってきた。脳性麻痺で手足が不自由だが、人一倍の自信家でもあり、ITオタクでもある。
カラたちの暮らす漁村は、今のところ底引き網漁が禁止されているのだが、もうすぐその禁止が解かれることになっており、カラは、そうなると沿岸の海の自然が生物もろとも根こそぎ破壊されてしまうのを心配している。
そんなある日、カラは浜辺にのりあげている白い子イルカを見つける。白いイルカはプラスチックの網にからまって大けがをしている。
カラは、まわりの人たちの力を借りて、白いイルカのいのちを助けようと奮闘し、やがてクラスメートや地域の人も巻きこんで、底引き網漁に反対する活動を始める。
ハラハラどきどきの冒険物語でもあり、親と子の物語でもあり、地域や政治とのかかわりの物語でもあり、大自然とITを対比する物語でもあり、そして何より動物について深く知ることのできる物語。著者のジル・ルイスは獣医さんでもあるので、動物や自然についての描写は的確でウソがない。
おもしろいです。
(編集:岡本稚歩美さん 装画:平澤朋子さん 装丁:中嶋香織さん)
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