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2019年5月14日 (火)

『むこう岸』

Photo_11 『むこう岸』
 の読書会記録

 

 安田夏菜/著
 講談社
 2018.12

 

彬夜:再読です。直球勝負の意欲作だなと思います。このテーマをとりあげたことに共感するし、いい作品だとも思いました。ただ、再読すると、ちょっと気になることも出てきて。いちばん悩んだのは、むこう岸とは? ということなんです。和真と樹希、この2人は対比ではなく、同じ側にいるように感じました。だから、むこう岸は誰にとっての何なのかなと。それから後半、生活保護の解説書めいた感なきにしもあらず、かなとも。もちろん、それあっての物語なので、中学生が読むのにはいいのかもしれませんが。それに「居場所」というのは今、まさに求められる居場所なのですが、まるで樹希たちのためだけに存在するようにしか思えなくて。ここの場の奥行きが見えない、というか。ほかに客がいるの? マスター、生活大丈夫? とちょっと心配になりました。あとは、放火してしまう人ですが、人としてのいやな部分をひとりで背負わされているようで、ちょっとかわいそうでした。いい人と悪い人がやや類型的というか、人が仕分けされてしまっているような印象もありました。人物でおもしろいと思ったのは和真の母親です。父親に対しては、和真の側に立ってかばおうとする、その直後に、生活保護の子とつきあっていないと知って安心する。「総論賛成各論反対」的なリアル感がよかったです。ふつう気がつくでしょ、というツッコミはともかく、梅酒の誤飲でふたりを出会わせるのもおもしろかったです。

アンヌ:私も同じく直球勝負の作品だと感じました。生活保護法の条文を詩のように感じる少年を描いてくれたことに感動しました。政治家が率先して生活保護受給者を非難するような情けない時代に、働いて社会保障費や税金を払うことの意義を知って欲しいと思っているので、うれしい作品です。最初はアベル君以外の人物の描き方が単純な気がしたのですが、再読したときに構造の巧さに舌を巻きました。

ハリネズミ:すごくよくできた小説だなと思いました。生活保護家庭の樹希は母親に対し「もっと根性だしたらどうだ」と思っていますが、和真のお父さんは和真に対して同じように思っているという構造もおもしろい。さっき彬夜さんは「同じ岸にいるんじゃないか」とおっしゃったのですが、最初はやっぱり別の岸にいるんだと思います。樹希は最初、和真のことを「ものすごくお腹がすいている横で、美味しそうなパンをまずそうに食べているようなやつら」の一人だと見ている。和真も樹希を見て、小学校で自分をいじめた子どもたちのことを思い出し、「生活レベルの低い人たちが苦手だ。怖いし、嫌悪感がある」(p63)と言っているし、樹希に「金持ちのおぼっちゃま」だと言われて嫌な気持ちでいる。それが最初の状況じゃないでしょうか。そのあと、元の同級生の桜田という能天気な人に会って、「きみ(樹希)にとってのぼくは、ぼくにとっての桜田くんなのかもしれない」(p92)「哀れんでいるものは、自分の放つ匂いに気づかない。哀れまれているものだけが、その匂いに気づくのだ」(p93)と感じるようになる。最初は向こう岸にいた子どもたちが、だんだんに近づいていく様子がとてもよく描かれていると思いました。
 もう一人のアベル君は、ナイジェリア人の父親の暴力がトラウマになっている存在だと思いますが、こういう存在の出し方もうまいなあと思いました。ナイジェリア人の父親も、ただ暴力をふるっているのではなく、どうしようもない状況におかれて、そうなったというところまで書いています。その結果、アベル君の方は言葉が出なくなり筆談しかできずに、自分はバカだと思っています。和真はそこで、アベル君にも進学校で落ちこぼれた自分を重ねていく。実体験をしたからこその気づきを書いているのも、うまいです。生活保護のところは、必要不可欠な部分だけを書いているように私は思いました。できるところをやっていこうという意欲は書かれているので、それ以上書く必要はないと私は思いました。結局、ほかの人とちゃんと関わりをもてたときだけ、人間は変わっていけるということなんですね。西ヨーロッパだと、必要最低限のお金は生活保護で得て、弱者のためにボランタリーな仕事する人がいますが、日本では生活保護はまだ白い眼で見られているのですね。「カフェ・居場所」のマスターみたいな人はいるので、私はリアリティがないとは思いませんでした。和真の父親やおばあさんはステレオタイプかもしれませんが、やっぱり日本にはこういう人いると思います。

マリンゴ:非常によかったです。テンポがよくて章が終わるたびに、次がどうなるのかと、引き込まれました。こういう物語って、ひとりのキャラが強くて、もうひとりが弱い、というのがよくあるパターンかと思うのですが、本作ではふたりとも強いんですよね。それがとても魅力的です。私自身は、進学校で苦労した経験があったので、和真のほうに自分を重ねてしまう部分がありました。読んでいて思い出したのは、数年前にネット上で物議をかもした生活保護の家庭。ひと月の携帯電話の料金が1万円を超えていて、それはいかがなものか、と批判されたんですよね。でも、既に携帯がないと生活できない時代になっていたし、自分だけでなくキッズ携帯なども必要となると・・・やむを得ないし、「これ、いらないんじゃない」と他人が簡単に言っていいことでもない。私がそんなことを思い出したように、この本をきっかけに生活保護について考えることができるのではないかと思います。

西山:ペンクラブ子どもの本委員会で困難を抱えた子どもたち向けた本を企画中なのですが、その企画の中で学んでいることがこの本の中にあれもこれも詰まっていると思いました。ふたりが互いの理解を進めていく過程が丁寧に積み上げられているという指摘も、ふたりともおなじ岸にいるのではないかという指摘も、どちらにも共感します。結局、和真と樹希たちが同じ岸にいるという指摘を、若干の不満として敢えて指摘するなら、1カ所だけひっかかったところがあります。p66で和真が自分とアベルくんを重ねるところ。「きみは、バカではありません」と和真が思わず発したこの一言はとても重要なわけですが、そんなに重ねられるものだろうか、同じ立場なのに、越えきれない骨の髄まで刷り込まれた差別意識こそがとっさに出てしまうのではないのか、と思ってしまったのです。そんなにすぐにアベルくんの側に立てるのかと。でも、ここで飛躍して、こういうペースで進んでいかないと物語の中での展開は書いていけないと思うので、これはこれでありと思いはします。

ハリネズミ:ここはアベル君を頭で理解するのではなく、自分も進学校の先生や親にバカだと思われたり言われたりする実体験を持ったからこそ言えた言葉なんじゃないですか。

西山:重なる構図は分かるのです。でもこんなに端的にそれを自覚して言葉にできるのか。和真は価値観の彼岸にはいないと思ったんです。育ってくる中でしみついてきた差別意識というものはものすごく根深くて、そう簡単には行かないんじゃないかなと私は思います。それはさておき、生活保護のことを調べるのは、この作品の価値のひとつだと思います。うまく書き込まれている。現実と重ねると、生活保護について調べたいと訪れた中学生に「生活保護手帳」を出してくるって、カウンターの人のチョイスおかしいですよね。でも、p170の「この本のわかりにくさに、怒りすらわいてきた」という一文は大事だと思うから、まぁ、これを出してくるために仕方なかったのかな。子ども学科で、ある先生から「障がいのある人にとってわかりにくさは暴力ですから」と言われてはっとしたことを思いだしたんです。制度自体の至らなさを、お勉強的に生な情報の羅列にすることなく、自然に物語にとけこませて、でもしっかり指摘している。新人作家を比べて言うのは酷ですが、『15歳、ぬけがら』(栗沢まり著 講談社)では、生な情報がつめこまれた印象がどうしても残ってしまったので、やはり、こっちはうまい。生活保護をうけている側を「けなげ」で捉えずタフさで描いたところも好きです。細かいところですが、p177で、「しがない下っ端の、助教だけどね」って、安田さん、いろんなことに気をくばって(笑)。すみずみまで異議申し立てが詰まっていて、すごい作品が書かれたと思います。

ネズミ:意欲作だと思いました。とてもおもしろくて一気に読みました。体は大きくなっても、それぞれの環境によって知っていることも限られ、制約の中で生きている中学生が、周囲との思いがけないかかわりによって世界を広げていくようすに説得力を感じました。いろんなおとなが出てくる物語って、日本の作品では珍しいのでは。頼りない担当ケースワーカーもそうですが、この人はこういう人と、決めつけてしまわないを描き方がいいなあと思いました。生活保護についてていねいに描かれ、個人の努力が足りないせいではないとよくわかります。テーマ性があるけれど、和真と樹希がどうなるか知りたくて、読まずにいられない、物語としての力のある作品だと思いました。

まめじか:すごくよかった。和真も樹希も、相手は自分とは違う側、むこう岸にいると思っているけど、その境界は曖昧なものなんですよね。若いうちは特に、この人はこうだと決めつけて壁をつくってしまうことがあります。でも、お店でアベルが暴れたときに「斎藤のおばさん」が助けてくれたり、エマがおじさんを紹介してくれたり、実は思っていたのとは違う人だったことって、現実にもけっこうありますし。樹希がけなげでなく、かといって敵意まるだしのひねくれた子というわけでもなく、その人物造形もうまい。p135「アベルくんは、泳げない魚で、飛べない鳥なんだろうか? ・・・嵐が吹き荒れる中、物陰でじいっとしているうちに、泳ぎ方も飛び方も忘れてしまったとしたら?」とか、p119「そんな時間があるおかげで、あたしは少しだけ楽に呼吸ができている」とか、心に残る文章もありました。

しじみ71個分:同じように困難な生活を送る子どもを描いた『15歳、ぬけがら』とどう違うのだろうと思い出しながら読んだのですが、登場人物の魅力や、心情の描き込み方の違い? そうなると、作家としての経験や筆力の違いなのかなと思ったりしました。生活保護に関する難解な説明については、和真が学んだ内容として紛れ込ませて、うまいこと読ませるなと思いました。それから、「うまいなぁ」と思ったのはp162~163で、和真の母親が、父親に叱られる和真をかばい、高圧的な夫に対する自分の想いを見せたところで、母親は和真の気持ちに共鳴するのかと一瞬、読者に思わせておきながら、直後に生活保護世帯についてあからさまな差別意識をのぞかせ、和真を失望させるところは二重三重に展開があってあっと思わされました。その効果で、和真のおとなへの失望、おとなの嫌らしさとともに、子どもである自分も含めた差別意識の根深さ難しさがよく伝わるなと思って感心しました。いろんなおとなたちとの対比で、子どもたちの抱える困難や苦しさが分かりやすく描かれていると思います。家庭内での抑圧と自己肯定感の喪失、虐待、貧困とか、さまざまな形で子どもたちが抱える困難を分かりやすく伝えていると感じました。
『むこう岸』というタイトルもとてもいいと思いました。何が向こう岸なのか、って考えさせられます。最初はこの世とあの世の岸のことかと思って、幽霊話か何かと思ったのですが心の問題でしたね。1本の線のような境界を越えて、むこう岸を知ろうとするか、しないか、ということが共生する世界には大事なのかなと思って、よいタイトルだなぁと思いました。「対岸の火事」という言葉もありますが、他人ごとと思って見ないふりをするかしないか、と考えるところが大事かなと。そういう意味で、和真がアベルに勉強を教え、生活保護について調べることを通して学びの喜びに気づく成長や、樹希の進学への希望などはこれからの可能性が最後に見えて、読後も気持ちよかったです。

まめじか:樹希は最後、看護師になる夢をもちます。「むこう岸」は人間関係だけじゃなく、それまで手に届かないと思っていたもののことも含んでいるのでは。いろんなことを考えさせるタイトルですよね。

花散里:昨年読んだ日本の児童文学の中で特に印象に残った作品でした。どうして12月にこういうよい作品が出るのかと思って読みました。一年のまとめをもう書いてしまったのに、と。タイトルもよいし、表紙の絵もとても作品の内容を表していると思いました。和真は名門中学で成績が低迷し、公立中への転校を余儀なくされますが、樹希が母親と幼い妹と生活保護を受けながら暮らしていることを知り、勉強の中だけで生きていた自分自身を見つめ直していく様子がよく描かれていると思います。カフェでふたりはつながりますが、子どもの居場所って大切だと思いましたし、マスターの存在がとてもいいなと思いました。世の中に、親とは違う存在があることが大切だと思いました。
生活保護を受けていたら看護士になれないと思っていたのが、なれることがわかり、勉強していくようになっていくところなど、子どもが読んで共感できるところがあるのではないかと思いました。作者の安田さんは、図書館員にはこういう人がいるのかと、見ているのかと思いましたが、ひとりひとりの人物をよく書いているなと感じました。作品を読んで、無料塾とか子ども食堂とかにも希望があると思いました。

ハリネズミ:p90に「ピアノがべらぼうにうまくて」とありますが、べらぼう、って、今の子どもも使うんでしょうか?

アンヌ:他にもいくつかp111の「なかなか窮屈です」のように子どもらしくない言い方があるので、p128で「山之内くんのしゃべり方って、おじさんぽくて、おもしろーい」とエマが言うように、個性として使わせているんじゃないでしょうか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エーデルワイス(メール参加):表紙が暗すぎて、読むのを敬遠したくなりました。しかし、和真と樹希の境遇が、時にはユーモアを交えながらリアルに伝わり、希望を持って終わっていたので、読後感がよかったです。学びたいと思う気持ちが伝わってきます。生活保護についてもよくわかりました。

(2019年04月の「子どもの本で言いたい放題」)

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