Refugee
ただ今、Refugeeという本の、自分で訳した文章をチェックしています。この本は、アメリカのアラン・グラッツという作家が書いた「難民」をテーマにした児童文学。主人公は12歳前後の三人。ドイツのベルリンに住んでいるヨーゼフと、キューバのハバナに住んでいるイサベルと、シリアのアレッポに住んでいるマフムード。ヨーゼフの物語が始まるのは1938年、ナチスに追われて船でキューバに向かいます。イサベルの物語が始まるのは1994年、父親が逮捕されそうになりボートでアメリカに向かいます。マフムードの物語が始まるのは2015年、空爆で家をなくしてドイツに向かいます。ヨーゼフはユダヤ教徒、イサベルはキリスト教徒、マフムードはイスラム教徒。
宗教も時代も背負っている文化も違う三人ですが、共通しているのは「難民」であるということ。ほかにも、「海」「赤ちゃん」「目に見えない存在」「明日」などというキーワードが三人を結びつけています。
史実を基にしたフィクションです。原書は340ページもありますが、アラン・グラッツのストーリーテリングがさえていて、ぐいぐい引っ張っていきます。最後のほうで、この三人をみごとに結びつけていることにも驚かされます。
つらい場面も多いのですが、それが現実なので、小学校高学年以上の人たちにはぜひ読んでもらいたいと思っています。
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